恐怖の泉

実話系・怖い話「降霊になる禁忌」

世の中、物騒な事件って多いじゃないですか。
明日は我が身だと、他人事だと思えなかった私は、1人暮らしで最大限の注意をするよう心掛けていました。
そこでよくやっていたのが、誰もいない自分の部屋に帰宅をしたらまず声を出す、という行動でした。

「出てきなさい!」「そこに居るの、分かっているんだからね!」

そう叫ぶ事で侵入していた犯人を威嚇しつつ、室内を全て確認するのが癖になっていました。
今思うと滑稽ですが、当時の私は真面目にやっていたのです。

スポンサーリンク

ある日、職場で仲良くなった同僚と遊ぶ機会がありました。
私は1度帰宅したかったので、ちょっと寄ってからでいい?と友人を部屋に招き入れ、準備をします。
誰かと一緒なら安心なので、そういった確認は必要ありません。そもそもそういった行動を人前でやるのは流石に恥ずかしいという自覚はありました。
出発してしばらく飲み食いした後、友人が言いました。

「あのさ、こんな事言うのもなんだけど…部屋ちょっと空気悪くない?」
「え?私の?ちょっとやだ、臭かった?」
「いやいや!そういうんじゃなくって…なんかさ。」

その時初めて知ったのですが、その同僚は霊感があるのだそうです。
そして私の部屋には居る、と言います。

「ちょっと怖いんだけど!」
「あ~でも居るっていっても、何ていうかな~。雰囲気が弱いから気にしなくて良いんだけど、なんか気になるんだよねぇ。」
「え~どっちなのよ?でも私の部屋、変な事なんて何もないよ?」

いろいろ話しているうちに、どうやら私が常日頃からやっていた「声をかける」という行動が良くないようです。
誰も居ない部屋に声をかけるという行動は、どうやら降霊の類なのだとか。
当然ながら大多数の方には無関係な話なのですが、霊感がある人にとってはやってはいけない行為、いわゆる禁忌になるそうです。
全く自覚が無かったのですが、私には霊感があったのでした。

「前から思ってたけど、家の事もよく気にしてるよね。」
「あ~なんかね。鍵閉めたっけとか、電気消したかな、とかはすごく気になるよ。」
「それ、幽霊に呼ばれてる場合もあるから。」

友人が言うには、そういった心配は本来、強迫性障害の症状ですが、私に関しては幽霊が原因の可能性があるらしいです。
事実、私がそういった心配を抱えるようになったのは最近であり、何の前触れもなく突然始まりました。自分達の方へ引き寄せたいとする霊が影響しているのだとか。
なぜ気になるようになったのかと私自身も不思議に思っていたので、少し腑に落ちた気持ちです。
ですが原因が分かったとて、実際に感じている私の不安はどうすればよいのでしょうか。
そこも友人へ相談してみると、明確な答えが返ってきます。

「やっぱり自分を守るのは…筋肉よ!」

袖をまくり上げて力こぶを作る友人の腕は、それ女性の腕なの?とびっくりする程に筋肉隆々でした。
お互い事務仕事で運動とは無縁だったので、尚更驚きです。
それからは私も友人と共に体を鍛え、今ではベンチプレスは40kg、スクワット60kgまでできるようになりました。
筋肉が育つのは思いの他楽しく、不安な気持ちが薄まって自信がついたような気もします。
生活にも活気が満ち、筋肉って大事だったのだなと改めて思い知らされました。

もやは今では幽霊ではなく、筋トレに憑りつかれているかもしれません…。

スポンサーリンク

TOP